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「IOCはプレイの質を上げるべき」、PlayFair 2008 PDF プリント メール
2007/06/15 Friday 09:20:45 CEST

6月11日発表のPlayFair 2008レポートにより、オリンピック関連商品を生産している中国人労働者に対して行われていた深刻な搾取が明るみになった。しかし、これに対する国際オリンピック委員会(IOC)の対応はまったくもって不十分であるとPlayFair 2008は受けとめている。

 

「IOCは問題があることは認めた。しかし、その問題に値する注意は払われていない。報告書が指摘した4工場のためにだけでなく、オリンピック商業全体のために解決策が必要とされる。」 とITUC(国際労働組合総連合)のガイ・ライダー書記長は言う。なお、ITUCはITGLWF(国際繊維被服皮革労組同盟)やクリーン・クローズ・キャンペーンとともにPlayFair 2008を構成する組織。「当初は一切の不正行為を強く否認していたが、その後報告書で指摘された工場のうちのひとつが児童労働の使用を認めた。このことは、オリンピック商業の名声を取り戻すためにIOCがどこまで踏み込まなければならないかを如実に語っている。IOCは、オリンピックライセンス認可のすべてについて責任を負うべきであり、五輪マークの著作権の保護に対する熱意とまったく同じ熱意を労働者の権利保護にむけてほしい。」とガイ・ライダー書記長はつけ加えた。


IOCのロゲ会長に宛てた 書簡 のなかで、PlayFairは「社会的責任と倫理的調達に対する取り組みについて触れられたことを高く評価する」 と述べつつも、オリンピックブランド商品に関る労働権の侵害をやめさせるために今現在何をしているのか、あるいは今後どう対策をとるつもりなのかなど、IOCとしてなんら具体的な情報を提供しなかった点を批判した。


「当事者工場からの圧倒的反応は、否定でした。」 とクリーン・クローズ・キャンペーンのスポークスパーソン、Ineke Zeldenrust氏は言う。アパレル産業およびスポーツ関連産業の工場の点検では虚偽行為や使用者による偽りの説明に悩まされることはよく知られており、それは中国でも、また中国以外の生産国でも同様に起きている問題である。「この問題には十分な裏づけがあり、そういうことがあるということを世界のスポーツ用品ブランドも公式に認めています。」とZeldenrust氏。「侵害の事実を報告書にまとめたPlayFair 2008の調査員は経験豊富かつ有能であり、後になって労働者が脅しや報復を受けないようなやり方でインタビューを実施しました。PlayFairがいま心配しているのは、北京オリンピック組織委員会の調査では同様の保護ができないかもしれないこと、そしてそのためにこれらの工場で起こっている問題の全容が明らかにされないのではないかということです。」


北京オリンピック組織委員会の調査については、その処置の仕方も懸念事項の一つだとPlayFair 2008は言う。当事者である工場に労働者の権利を尊重させ、報告書が指摘したすべての違反行為を是正させて与えられていなかった賃金その他を補償させるのではなく、当該委員会はそれらの4つの工場との契約を解除する恐れがあるのである。PlayFairは他のバイヤーに対しても指摘の工場への発注を維持し、なおかつ労働条件を改善するために現地の労働運動団体を含むステークホルダーとの協力関係を維持するよう呼びかけた。


「これらの工場の労働者はもう十分につらい思いをしました。」とITGLWF国際繊維被服皮革労組同盟のニール・ケアニー書記長は言う。「IOCは、北京オリンピック組織委員会がこの問題から逃避するのをただ黙ってみていてはいけない。私たちが初めてIOCに問題提起を行ってから4年の歳月が浪費されました、IOCにとって今こそ私たちときちんと向き合って話し合い、問題を解決するときなのです。」


IOCへの書簡では、おそらくIOCが考えているアプローチ、つまりもっぱら企業主体で労働組合や労働者支援団体の関与を労働者が求める余地を与えないようなやり方ではなく、PlayFair 2008の構成団体と協力し、中国内外におけるあらゆるオリンピック商業サプライチェーンにおいて労働権を遵守させるための計画を策定・実施するようあらためて要請した。PlayFair 2008レポートの中で詳しく述べられている問題は、当該産業においては世界中のどこでも起きている問題であり、決して摘発された4工場に限られたことでも、あるいは中国だけに限られたことでもない。世界規模のキャンペーンネットワークであるPlayFair 2008は、世界中のスポーツ用品産業で働く労働者の搾取と権利の侵害をなくすため、企業、オリンピックファミリー、政府にむけて、世界を挙げての取り組みを行うよう今後も働きかけを続けていく。

 
 
 
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